内容証明の送付から和解書の締結まで約1か月
独自に企画・デザインした商品と、サイズや形状、部品構成までよく似た商品が、他社から販売されている。
「デザイン登録をしていないから、諦めるしかないのでは」
「裁判に時間がかかる間も、販売が続いてしまうのでは」
今回は、こうした状況でご相談を受け、内容証明郵便の送付と販売禁止を求める仮処分の申立てを並行して進めた事例をご紹介します。
ご依頼者のプライバシー保護のため、事実関係の一部を変更しています。
ご相談の背景
ご依頼者は、自社で企画・デザインした生活用品をオンラインで販売する企業でした。
他の業者が、主力商品と規格・全体の形状・部品構成がほぼ同じ商品を販売し、商品ページのオプション案内や構成にも類似が見られました。
ご依頼者はデザイン登録をしておらず、相手方の販売が続くことによる影響を懸念されていました。
デザイン登録がなくても、保護される場合があります
韓国の「不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律」は、他人が製作した商品の形態を模倣した商品の販売などを、不正競争行為として規制しています。デザイン登録がない場合でも、この法律に基づいて対応できる可能性があります。
ただし、試作品の製作などにより商品の形態が整った日から3年が経過した場合や、同種の商品が通常備える形態を模倣した場合などは、この規定の対象から除かれます。
そのため、単に「似ている」というだけでなく、商品の形態がいつ整ったのか、どのような特徴があり、相手方の商品とどの点が共通するのかを、資料に基づいて整理することが重要です。
要件を満たす場合には、販売の差止めや損害賠償などを求めることができます。
関連規定:韓国「不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律」第2条第1号자目、第4条、第5条。
弁護士の対応
販売時期と商品の特徴を、証拠に基づいて整理
商品登録日や販売記録、商品ページの画像に関する記録などを集め、各商品の販売開始時期を整理しました。
同時に、相手方の販売ページを保存し、規格・形状・部品・オプション構成を項目ごとに比較しました。
内容証明郵便と仮処分の申立てを並行して実施
販売中止と損害賠償を求める内容証明郵便を送り、ほぼ同時に、裁判所へ販売禁止を求める仮処分を申し立てました。
仮処分は、本案の判決を待つ間に被害が広がることを防ぐため、裁判所に暫定的な措置を求める手続です。本件では、交渉と裁判所を通じた対応を並行して進めました。
再発防止まで見据えて和解条件を調整
交渉では、単に「今後は販売しない」という約束にとどまらず、対象商品や販売ページの削除、今後の製造・販売に関する条件を具体化しました。
解決の結果
内容証明郵便の送付から和解書の締結まで、約1か月で解決しました。
相手方は問題となった商品と販売ページを削除し、今後、同一形態の商品を製造・販売しないことを約束しました。また、ご依頼者には和解金が支払われました。
本件は、判決による解決ではなく、仮処分の申立てと交渉を経て、和解に至った事例です。

韓国で事業を営む日本人の方・日本企業の皆さまへ
韓国で販売する自社商品を模倣された、取引先との間で問題が起きた、契約や権利の保護について相談したい。そのようなときは、法律事務所ローレンの金材員にご相談ください。
ご相談から証拠の整理、内容証明郵便の送付、仮処分、和解交渉まで、私が直接対応します。事業の状況とご希望を伺い、どのような対応が可能か、まず何から着手すべきかを一緒に整理します。
デザイン登録をしていない場合や、まだ資料が十分に揃っていない場合でも、まずは現在の状況をお聞かせください。
本事例は個別の事案における結果であり、同様の結果を保証するものではありません。
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